坂を転がり落ちる球の加速度

通常の重力のもと,水平面と\thetaの角をなす斜面を転がる鉄球の,斜面下向きの加速度を求めよう.

ただし,斜面と球の表面が滑ることは無いとする.

 

重力加速度g,水平面と坂のなす角\theta

回り始め(初速0)の水平面からの高さH,球の半径r,質量M,慣性モーメントI

現在の水平面からの高さy,回り始めから進んだ距離s,現在の重心の斜面下向き速度v,現在の斜面下向き加速度a,現在の重心回りの角速度\omegaとする.

 

まずエネルギー保存則より

 MgH = \frac{1}{2}Mv^2 + \frac{1}{2}I\omega^2 + Mgy

球の慣性モーメントは I=\frac{2}{5}Mr^2なのでこれを代入し

 MgH = \frac{1}{2}Mv^2 + \frac{1}{5}Mr^2\omega^2 + Mgy

坂と球が滑ることは無いので,球の表面の速度はv.ゆえにv=r\omega.これを代入し

 MgH = \frac{7}{10}Mv^2 + Mgy

両辺を時間tで微分

 0 = \frac{7}{5}Mva + Mg\dot{y}

ここでs\sin \theta = H - y の両辺を時間で微分すると

v\sin \theta = - \dot{y}

これを与式に用いて

 Mgv\sin\theta = \frac{7}{5}Mva

これを解いて

a=\frac{5}{7}g\sin\theta

 

よくある問題なので,転がり落ちる場合と滑り落ちる場合を間違えないようにね.